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HOW TO CHOOSE

弁護士の選び方

交通事故~弁護士の選び方~

多数の解決実績ってなんですか???

昨今インターネット上にはいろいろな法律事務所の交通事故についてのホームページが並んでいます。

そして、それらのホームページの中では「多数の相談実績」「多数の解決実績」「交通事故専門チーム」といった言葉が溢れています。解決実績とはいったいなんなのでしょうか。

弁護士に依頼するメリットのページでも書いている通り、傷害慰謝料、後遺障害慰謝料の基準が弁護士がついているか、ついていないかで異なるため弁護士に依頼することで傷害慰謝料、後遺障害慰謝料の金額がある程度増えることはほぼ間違いありません。治療期間等に争いがなく、他にも特に争点がないような場合など極端に言えばどんな弁護士が担当してもある程度の金額は上がります。「交通事故に詳しい弁護士に依頼すると示談の金額が上がります」というキャッチフレーズを掲げて示談交渉での増額事例をたくさん並べているホームページをよく見かけますが、交通事故に詳しい弁護士でなくてもある程度は上がるのです。ただ、弁護士次第ではもっと上がるかもしれません。

示談の金額が上がりますって???

さらに、ホームページの中には、「交通事故に詳しい弁護士に依頼すると示談の金額が上がります」というキャッチフレーズに加え、交通事故の解決までの流れの説明でも解決方法について示談のことしか書いていないホームページもあります。このような法律事務所は、もし、保険会社の示談の提示額が依頼者の希望に添えない場合にはどうするのでしょうか?本当に交通事故に詳しい弁護士であれば裁判した場合の見通し、仮に裁判した場合にリスクがある場合にはリスクを示した上で裁判するのか、示談で解決するのか、早く解決することを望まれるのが、時間がかかっても納得できる賠償を求めたいのか、依頼者の方と話し合うことになります。裁判という選択肢があることを示さない、示せない弁護士が本当に交通事故に詳しい弁護士といえるのでしょうか??裁判は、弁護士にとってもそれなりの労力を費やすことになりますし、大変な面もあります。ホームページで裁判のことに触れていない法律事務所は裁判をする場合の見通しやリスクを依頼者の方に説明することができないのか、誰でもできる簡単な事案だけを集めたいのではないか、と考えてしまいます。

示談交渉で増額した事案だけを多数紹介して増額件数〇〇件、といってもそれは実績なのでしょうか??

示談のことしかホームページで書かれていない法律事務所って費用は安いの???

もちろん、簡単な事件を専門に扱ってその分費用を低く抑えるのであれば、それは被害者の方にとっても望ましいことかもしれません。例えば、おすしを手ごろな値段で食べることができる回転ずしみたいに簡単な事案を安く引き受けてくれる事務所があってもよいかもしれません。けれども、「交通事故に詳しい弁護士に依頼すると示談の金額が上がります」と掲げている法律事務所の弁護士費用は、相談料・着手金無料とはなっているものの、報酬が取得額又は経済的利益の〇〇パーセント+20万円といったようにトータルでは必ずしも低く抑えられているわけではなく、むしろかなり高いことが多いと思われます。そもそも、結果にかかわらずに一律に発生する費用(上の例の20万円)は報酬ではなく着手金ではないかと思われます。「着手金は20万円ですが後払いで結構です」と書かずに「着手金無料」と書くことについても私は疑問に感じます。

本当の解決実績とは

弁護士の交通事故に対する能力、姿勢の違いが最も現れるのは、自賠責保険による後遺障害等級の認定よりも高い後遺障害等級で解決できた案件がどれだけあるかだと思います。示談交渉ではまず不可能で訴訟での解決(判決または裁判上の和解)が不可欠です。そして、実際のところ裁判でも自賠責の認定通りの結論になることが殆どです。自賠責の認定と異なる高い後遺障害等級を裁判所に認定してもらうことは実際にはかなり難しいのです。このように自賠責保険が認定した後遺障害等級より高い等級での判決や和解を獲得するには相応のスキルと労力が必要なのは言うまでもありません。いろいろな法律事務所のホームページで解決実績を比較される場合には自賠責保険の後遺障害等級と異なる解決実績があるかどうかという観点から比較されるとその法律事務所の交通事故についての本当の力量がわかりやすいかと思われます。

専門チームって???

すみません、法律事務所の力量、という言葉は適切ではないかもしれません。私のこれまでの経験では交通事故についての訴訟などで相手方の代理人が在籍している法律事務所が複数の弁護士が所属している事務所の場合には裁判で提出される書面には事務所に所属する複数の弁護士が名を連ねています。けれども、実際にはその中の一人の弁護士が担当することが殆どでした。もちろん稀に重篤な後遺障害事案などの訴額が大きい事案などでは複数の弁護士が担当することもありましたが、その場合でも基本的には主任の弁護士の力量が反映されます。そうであれば、被害者の方にとっては「法律事務所の力量」というよりも担当する「弁護士の力量」が重要となります。もし弁護士が複数在籍している事務所に依頼されたい場合には、それぞれの弁護士の解決実績を教えてもらう等して、担当する弁護士を指名された方がよいかと思われます。

このホームページでの解決事例の見方

なお、このホームページでも解決事例として自賠責保険で認定された後遺障害等級と同じ等級で解決した事案、示談交渉のみで増額した事案も増額事案として複数載せていますが(増額事案が少ないと誤解されてはいけませんので)、交通事故の問題にたずさわる弁護士として本当に実績として自負できるのは、やはり自賠責保険が認定できなかった後遺障害等級が裁判所で認定された事案です。このような事案では、解決までの間に裁判のことが頭を離れず夜眠れなくなることが何度もありましたが、解決して依頼者の方に喜んでいただけたときには本当に弁護士冥利に尽きる思いでした。解決事例のページをご覧になる際に、頭の片隅に置いていただけたら幸いです。

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