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KNOWLEDGE

交通事故の基礎知識

逸失利益 慰謝料

後遺障害について(逸失利益、慰謝料)

後遺障害って

交通事故に遭って怪我をしたあとに一定期間治療をしても痛みが残ったり、関節が事故前のようには曲がらなかったり、顔に傷跡が残ったり、失明したり、脳に障害が残ったりすることがあります。このように一定期間治療してもなお残存した症状について、将来においても回復が困難と見込まれるものとして後遺障害と認定されれば、慰謝料や逸失利益を請求することができます。

後遺障害の等級

後遺障害については自賠責保険がその程度に応じて1級から14級までの等級に分けて規定しています。

交通事故で負った怪我について治療しても残った症状について、まず自賠責保険が審査をして後遺障害があるのか、ない(非該当)のか、ある場合にはどういう等級なのかを決めます。

自賠責保険に後遺障害について判断を求める方法については、加害者側の任意保険会社を通じて認定を申請する方法(事前認定といいます。)と被害者が直接自賠責保険会社に申請する方法(被害者請求といいます。)があります。

自賠責保険の後遺障害認定に納得がいかない場合には異議申し立てをすることができます。また、裁判で自賠責が認定した以上の後遺障害等級の認定を求めて争うこともできます。

後遺障害が認められるとどうなるの?

後遺障害が認定されると、その等級に応じた逸失利益と後遺障害慰謝料を請求することができます。

逸失利益って

逸失利益とは、後遺障害が残ったことによって後遺障害がなかったら得ることができたはずの収入が得られなくなった、つまり後遺障害によって将来の収入が減ってしまうことについての損害です。

ただ、将来具体的にどのくらい収入が減るかは実際にはわかりません。そこで、事故がなかったら得られたはずの収入が、一定の割合で一定の期間減るものと仮定して算定します。

事故がなかったら得られたはずの収入のことを基礎収入といい、一般的に事故前年の収入を前提とします。

ただし、幼児、生徒、学生及び比較的若年(30歳未満)の被害者で生涯を通じて全年齢平均賃金を得られる蓋然性がある場合には学歴別の全年齢平均賃金を基礎収入とします。また、家事労働に従事する主婦の場合には、全年齢女子労働者の平均賃金を基礎収入とします。

収入が減る割合のことを労働能力喪失率といい、後遺障害の等級ごとに目安となる喪失率が定められています。

収入が減るであろう期間のことを労働能力喪失期間といい、一般に67歳までとされますが、むちうちなどの神経症状では14級で5年、12級で10年程度に制限されることが多々あります。ただ、毎年の減ると仮定した収入についてまとめて早く受け取るために運用によって利益が得られると仮定して一定の割合を差し引くため、労働能力喪失期間が10年であっても10を掛けるわけではなく運用利益を差し引いて掛けます。これを中間利息の控除といって、その控除する割合は定められています。

後遺障害逸失利益=基礎収入×労働能力喪失率×労働能力喪失期間

後遺障害慰謝料って

後遺障害慰謝料については、等級ごとに分けて金額を考えます。

後遺障害慰謝料についても傷害慰謝料と同様に、保険会社が社内で独自に決めている基準とこれまでの多くの裁判の結果を日弁連交通事故相談センター東京支部が「民事交通事故訴訟損害賠償算定基準」という書籍(通称「赤い本」と言われます。)で等級ごとに定めた基準(裁判基準といいます。)があります。保険会社独自の基準よりも裁判基準の方が高いのは傷害慰謝料と同様です。